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木育とは?3つの効果と目的を幼稚園教諭が徹底解説!

木育の目的と効果を幼稚園教諭が解説

都市開発が進むにつれて、自然に触れられる環境が少なくなり、子育てや幼児教育でも「木育(もくいく)」と呼ばれる活動が増えてきました。

木育とは、子どもをはじめとする全ての人が、木と触れ合うことや共存することを目的としている活動です。

本記事では、木育に関する活動や子どもへの効果を、現役の幼稚園教諭が解説します。

また、木育に適しているお出かけスポットと、おすすめのおもちゃブランドも紹介しました。木育を取り入れてみたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。

こんな方におすすめ

  • 木育のことを詳しく知りたい方
  • 木育の効果を知りたい方
  • 木育のお出かけスポットやおもちゃブランドを知りたい方

木育の目的や意義とは?

木育は、木材や自然との関わりを深めることが目的です。人格の基盤を形成するために大切な幼児期の頃から、木育を行う重要性が見出されています

理由は、幼児期から自然環境に触れることで心身の成長を助長するだけではなく、環境問題への関心も深めることができるからです。

例えば、子どもが遊んでいるおもちゃを木製にするだけで、なめらかな触り心地や木の匂いを感じることができ、五感を養うことに繋がります。

また、暮らしの中で木に触れることが多いと、森林伐採や自然破壊への環境問題に対して、改善意識も向くはずです。

農林水産省の林野庁(りんやちょう)でも、木育に関する事例を紹介し、木育の取り組みを推進しています。

木育の起源と概要

木育は、2004年に北海道で生まれて、2006年に「森林・企業基本計画」の中でも閣議決定された言葉です。

木育に関する活動として、「木育のか・き・く・け・こ」が用いられるようになり、美術館や市町村など、多くの場で推進されるようになりました。

木育のかきくけこは、以下の通りです。

  • か:環境を守る木育
  • き:木の文化を伝える木育
  • く:暮らしに木を取り入れる木育
  • け:経済を活性化させる木育
  • こ:子どもの心を豊かにする木育

木育活動を通して5つのポイントが作用し、人々の暮らしが豊かになる好循環を生み出すことが目的です。

幼児期における木育の主な活動

ここでは、幼児期における木育活動について紹介します。

木育活動に関する事例をまとめると、以下の通りです。

  • 木材や生木に触れる
  • 木のおもちゃで遊ぶ
  • 森や樹木で遊ぶ
  • 自然に関する絵本や紙芝居を読む
  • 苗木を育てる
  • 木登り体験
  • 木に関する昔遊び体験
  • 木工ワークショップでモノ作り体験
  • 木製の工芸品や美術品を鑑賞する

木製のおもちゃで遊んだり、木育のイベントに足を運んだりと、子どもと一緒に木育活動を楽しんでみてください。

木育は3つの効果が期待できる

幼児期に木育活動を行うことで「五感が刺激されて感覚が研ぎ澄まされる
」「心の豊かな感性が育つ」「環境や文化への関心が深まる」の効果が期待できます。

幼児期に木育活動を行うことで、期待できる効果は以下の3つです。

  1. 五感が刺激されて感覚が研ぎ澄まされる
  2. 心の豊かな感性が育つ
  3. 環境や文化への関心が深まる

それぞれの効果を現役の幼稚園教諭が解説します。

五感が刺激されて感覚が研ぎ澄まされる

木育を通して、子どもの感覚を研ぎ澄ますことができます。なぜならば、木や自然には、五感を刺激する要素があるからです。

例えば、木製のおもちゃには、プラスチック製にはない、滑らかな触り心地や木の匂いがあり、遊びながら自然と感覚が研ぎ澄まされます。

実際に100年続く教育法、モンテッソーリ教育でも感覚を大切にしていて、木製の教具を主軸としています。

子どもの感覚を刺激するために、木の製品を取り入れる木育活動がおすすめです。

心の豊かな感性が育つ

木や自然にはヒーリング効果やリラックス効果があり、自然体験を通して、豊かな心が育まれます。

また、自然の大切さを実感して次の世代にも繋げることで、好循環な木育サイクルが生まれます。

特に多くの敏感期をもつ、1歳〜6歳の頃から木に親しむ経験が大切です。幼児期に木育活動を行い、健やかな成長への相乗効果も期待できます。

環境や文化への関心が深まる

赤ちゃんや幼児期から木に興味を持つことで、環境や文化への関心が深まります。

実際にいくつかの市町村が木育活動の一環として、園児対象の苗木植え付け体験を行ったこともありました。

苗木の植え付け体験は、林業や環境への理解を深めることがねらいです。

社会的にも環境問題やSDGsが幅広く認知されるようになり、木育活動もより一層、重要視されています。

ぜひ、この機会に木育に関する活動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

木育に適しているお出かけスポット3選

木育に適しているお出かけスポットを、現役の幼稚園教諭が3か所厳選しました。

ここでは、木育に適しているお出かけスポットを、現役の幼稚園教諭が3か所厳選しました。木育におすすめなスポットは、以下の通りです。

  • 気軽に行ける公園・室内遊び場
  • 雨でも遊べるおもちゃ美術館
  • 自然の中で遊べるフォレストアドベンチャー

それぞれのスポットを詳しくご紹介します。

気軽に行ける「公園・室内遊び場

木育活動をするには、気軽にいける公園や室内遊び場がおすすめです。落ちている葉っぱや花など、自然由来の物を遊びに取り入れるだけでも、木育の効果が期待できます。

また、地域にもよりますが、木育を軸とした室内遊び場も充実しています。

木育活動の一環として、気軽に公園や室内遊び場へ足を運んでみてくださいね。

雨でも遊べる「おもちゃ美術館

森林文化の継承と木育の推進をテーマとして掲げる、おもちゃ美術館もおすすめです。

おもちゃ美術館は、自然・文化・遊びが融合した交流型ミュージアムで、木材のおもちゃや遊び場を展開しています。全国的に広がりつつあり、2022年には10館に到達しました。

施設数は限られていますが、どの美術館もクオリティが高く、足を運ぶ価値のある木育施設です。

自然の中で遊べる「フォレストアドベンチャー

体を動かしながら自然の楽しさが味わえる、フォレストアドベンチャーがおすすめです。

森林をそのまま活用した広大なパークで、高い木に登ったり、ロープで大移動をしたりと、アクティビティが充実しています。

「自分の安全は自分で守る」がテーマで、安全器具を活用した運動を主軸としています。施設によっては、キッズコースもあるため、保護者の目の届く範囲で遊べる点も魅力の1つです。

全国的に展開されていますので、ぜひ近くのパークを探してみてくださいね。

木育活動におすすめのおもちゃブランド3選

木育に適しているおもちゃブランドを、現役の幼稚園教諭が3つ厳選しました。

ここでは、木育に適しているおもちゃブランドを、現役の幼稚園教諭が3つ厳選しました。木育におすすめなおもちゃブランドは、以下の通りです。

  • 安心安全な木遊舎(もくゆうしゃ)
  • 国産ヒノキを取り扱うIKONIH(アイコニ―)
  • 暮らしに取り入れやすいオークヴィレッジ

それぞれのブランドを詳しくご紹介します。

安心安全な「木遊舎(もくゆうしゃ)

木遊舎は、愛知県伊予市にあるおもちゃ工房です。おもちゃの企画・製造・管理など、全ての作業を工房で行い、安心安全な製品を取り揃えています。

また、赤ちゃん向けからおままごとまで、幅広い年齢に対応している点も特徴の1つです。

定番のギフトセットもあり、贈り物にも最適なおもちゃブランドです。

国産ヒノキを取り扱う「IKONIH(アイコニ―)」

IKONIH(アイコニー)は、吉野ヒノキから生まれた木のおもちゃを製造するおもちゃブランドです。

日本の山林から、世界の子どもたちへ」をコンセプトに、木製品を取り扱っています。

また、感覚と思考力が養えるおもちゃを販売している点も魅力の1つです。例えば、揺れ動くバランスおもちゃや、車の整備士セットなどがあります。

木育だけではなく、幅広い経験をさせたい方は、アイコニーがおすすめです。

暮らしに取り入れやすい「オークヴィレッジ

オークヴィレッジは、岐阜県高山市にある老舗の工房です。おもちゃだけではなく、家具や食器、木造建築にも携わっています。

そのため、日常生活の中に木製品を取り入れやすいブランドです。どの製品も木材の良さをそのまま活かしたものばかりで、感覚で遊べるおもちゃを展開しています。

おもちゃだけではなく、暮らしの中で木育を取り入れたい方は、オークヴィレッジがおすすめです。

木育を通して豊かな心を養おう

本記事では、木育の目的や効果について、現役の幼稚園教諭が解説しました。

木育とは、子どもをはじめとする全ての人が、木と触れ合うことや共存することを目的としている活動です。

木育を通して期待できる効果は、以下の3つが考えられます。

  1. 五感が刺激されて感覚が研ぎ澄まされる
  2. 心の豊かな感性が育つ
  3. 環境や文化への関心が深まる

また、木育に適しているお出かけスポットやおもちゃブランドもご紹介しました。

お出かけスポットやおもちゃブランドをまとめると、以下の通りです。

おすすめのお出かけスポットおすすめのおもちゃブランド
気軽に行ける「公園・室内遊び場」
雨でも遊べる「おもちゃ美術館」
自然の中で遊べる「フォレストアドベンチャー」
安心安全な「木遊舎(もくゆうしゃ)」
国産ヒノキを取り扱う「IKONIH(アイコニ―)」
暮らしに取り入れやすい「オークヴィレッジ」

木育は、子どもたちの心身の発達に大きな影響を及ぼす教育活動です。

この機会にぜひ、木育を取り入れてみてはいかがでしょうか。