海外作家の絵本は、昔から日本でも多くの子どもたちに親しまれてきました。本屋さんでも、英語で読める絵本もよく見られるようになり、絵本を通じて言語や世界の文化を知ることができますね。
今回は、海外作家のベストセラーをアメリカの子どもたちが実際に読んでいた絵本を元に、最近の絵本から人気な絵本まで、チャイルドエデュケーター視点で厳選しました。1歳から3歳までのお子さんにおすすめの絵本を年齢別にご紹介します。
“英語の絵本を購入したいけど、どれがいいかわからない”という方の参考になれば幸いです。
1歳児におすすめのベストセラー英語絵本
※日本語訳なし
名前の通り、子どもが最初に覚えることができるような身近なものが単語で載っています。睡眠、食事、色、などのテーマごとに分かれていて、わかりやすいです。
物を指差しする仕草を始めた子どもたちに、「これは〇〇だね」と言って読み聞かせしたり、大人が「これ何でしょう?」「〇〇はどこでしょう?」と尋ねたりして、子どもとやりとりを楽しんでみてはいかがでしょうか。簡単な単語ばかりなので、子どもが英語で答えやすいです。
※日本語訳なし
著者であるアメリカで有名なエンターテイナーのジミー・ファロンは、彼の娘の最初の言葉「Dada」となるように手を尽くしたそうです。
この絵本は、その思いが伝わってくるようで、かわいい動物の親子たちが登場し、我が子に“お父さんだよ”と主張しますが、動物の子どもたちは鳴き声で返事をします。その繰り返しが、悲しくも可愛らしく、共感するお父様も多いのではないでしょうか。
また、同じ著者の『Everything Is Mama(PR)』もあわせておすすめしたいです。子どもが何でも「Mama」と言ってしまうというお話で、ジミー・ファロンの羨ましい気持ちも垣間見える、親子で読んで欲しい絵本の一つです。
ペットが欲しいという子どもの願いから、動物園から様々な動物が送られてくるお話です。
めくる仕掛けがあり、”中には何の動物が入っているんだろう?“という子どもの期待をくすぐる絵本になっています。
“Big”や”Tall”などの動物を表現する形容詞もあり、声色やジェスチャーで伝えると、わかりやすく学ぶことができると思います。
スコットランド出身の作家であり、この絵本は初版1982年から世界で愛されています。動物の仕掛け絵本の定番となっています。
動物に興味を持ち始めたお子さんにぴったりな絵本です。
夕食の時間になり、ママが子犬のポットを探します。家の中にはめくる仕掛けと共に、さまざまな動物たちが隠れています。お子さんと、まるでかくれんぼをしているかのように、スポット探しを一緒に楽しめます。
著者のエリック・ヒルが最初に出版された本で、スポットという犬のキャラクターは、大人気になりしました。他のシリーズもスポットの冒険物語が見ることができる絵本になっています。
※日本語訳なし
アルファベットたちが、ココナッツの木に登るお話です。歌をうたうようにリズミカルに読み聞かせをすると、子どもたちは必ず「もう一回読んで!」となる、大人から子どもまで楽しくなるような絵本です。
本の題名である、”Chicka Chicka Boom Boom”という言葉が繰り返し出てくるのですが、この呪文のような響きが子どもたちにも大人気です!
著者の1人であるビル・マーティンは、アメリカの教育家で『Brown Bear, brown bear, What Do you Hear?』でもお馴染みです。好きな方は、こちらの絵本も是非手に取ってみてください。
2歳児におすすめのベストセラー英語絵本
※日本語訳なし
アメリカの子どもたちでドクター・スースの絵本を持っていない人はいないというほど人気作家であり、長く愛されています。
不思議なキャラクターたちと世界観が魅了で、韻を踏んだ軽やかなリズムの文章が多いことが特徴です。この絵本は、簡単で読みやすく、初めてドクター・スースの絵本を読むにはぴったりです。全ての作品がベストセラーと言ってもいいほど人気で、シリーズで一気に購入される方もいます。しかし、中には長く難しいものもあるため、小さなお子さんには、bright early board bookというダイジェスト版も揃っています。英語を楽しみながら学べる絵本となっています。
雪が積もった日、ピーターは足跡をつけたり、雪だるまを作ったり、雪の上で寝転んだりするなどして遊ぶお話しです。子どもが雪の日に真似したくなるような遊びがつまっています。地域によっては大人のみなさんも、たくさん積もった日に雪で遊んだことがあるのではないでしょうか?幼い頃に感じた雪への感動や喜びを思い出すような、親しみ溢れる絵本となっています。
また、貼り絵ならではの味が出ている綺麗な作品です。そんな冬に読みたくなる絵本をお子さんと一緒に読みながら、思い出話を楽しむのはいかがでしょうか。
ある日、おもちゃ売り場のくまのコールテンが、女の子に出会います。しかし、女の子のお母さんは、コールテンの服のボタンが取れていることに気がつき、新品ではないとわかると、そのまま行ってしまいます。コールテンはその夜、無くなったボタンを探すことにします。読み終えた後は、人形を大切にしたくなるような、心温まるお話です。
アメリカでは幼い頃から1人で眠ることができるようになる、” Cry It Out Method“という睡眠トレーニングの方法があるからか、親が居なくても安心して眠ることができるようにお気に入りの人形などをベッドに置く家庭が多い印象でした。著者はアメリカ出身であり、そんな国民の文化も感じることができる絵本です。
子うさぎが、眠る前に身の回りのものたちに、「Goodnight」と挨拶していくお話しです。
イラストからも静けさが伝わってくるような優しい雰囲気に、子どもたちも眠気に誘われるのではないでしょうか。読む時に、窓の外の景色も変わっていくのにも注目です。
1947年から初版されており、世界的にも大人気なロングセラーとなっており、アメリカの家庭でどのお家にもこの絵本がありました。子どもが真似して色々なものに「Goodnight」と言いたくなるような絵本です。
1969年に初版され、絵本といえばこれ!というほど世界中でも親しまれていますね。
エリック・カールの鮮やかでポップな色使いの貼り絵で、あおむしの成長と感動も見ることができます。そして、曜日・数・果物を初めとする食べ物などの単語をこの1つの絵本で学ぶこともできます。
そんな誰もが知る有名な絵本ですが、構成の素晴らしさに改めてこの絵本をおすすめしたいと思いました。エリック・カールの絵本はどれも人気なため、迷った方は、ぜひ手にとってみてください。
3歳児におすすめのベストセラー英語絵本
絵本の通りに丸に触れたり、絵本を動かしたりしていくと、丸が増えたり、動いたりする、子どもと一緒に楽しめる参加型の絵本です。
ページをめくるごとに丸が変化していくことが不思議で、何度も繰り返しやってみたくなります。
絵はとてもシンプルですが、言葉を理解してその通りにやってみるという力が育まれます。
2010年に初版されたご紹介する本の中では新しい絵本ですが、斬新なアイデアで子どもたちに大人気となりました。いつもと変わった絵本を読みたいという方にはぴったりです。
※日本語訳なし
アメリカでは電車などの乗り物の絵本よりも、自動車の絵本が多くあります。その中でも、このlittle blue truck bookシリーズは人気です。
小さな青いトラックは走っているとたくさんの動物たちに出会い、「プップッー!」と挨拶していきます。すると、後ろから先を急ぐ大きなダンプカーが追い越してきて、泥にはまってしまいます。動物たち誰もが助けない中、小さな青いトラックが助けにやってきます。
親切にする気持ちや友情の大切さについてのモラルを育むことがでるような絵本です。
また、動物の鳴き声や自動車のオノマトペを知り、一緒に口に出して楽しめます。
親が1人の家族、ママが2人いる家族、綺麗好きの家族など、様々な家族のかたちをカラフルなイラストで表しています。簡単な英語でありながら、どんな家族も家族であることには変わりないという強いメッセージ性があります。
また、トッド・パールの絵本は、自尊心が育まれる内容が多いのが魅力です。そして、このような多様性を理解していくことが、人にやさしくできることにも繋がっていくと信じています。
子どもはもちろん、読んでいると親も一緒に心打たれるような絵本です。
※日本語訳なし
セサミストリートの放送作家として有名な著者のモー・ウィレムズ作品は、魅力的な登場人物と、会話でお話が進行していくのが特徴です。
ぞうのジェラルドとぶたのピギーは、仲良しの友だちです。まるで漫才のような2匹の掛け合いに、笑ってしまうこと間違いなしです!
絵本の文字のフォントやキャラクターの喜怒哀楽が、はっきりとわかりやすく描かれており、絵本を読むことが苦手な方でも声色や表現を真似て話しやすいです。
また、鳩のピジョンというキャラクターが出てくるシリーズもおすすめです。こちらはぞうとぶたのシリーズに比べて文章が少し多いため、小さなお子さんには少し難しいかもしれませんが、大きなお子さんや絵本好きのお子さんにおすすめです。
※日本語訳あり(PR)
新しい白い靴を履き、嬉しそうに歩くピートですが、その途中にさまざまな物を踏み、色が変わってしまいます。大人も子どもも思い通りにいかないことがあると、悲しかったり、怒ったりしますよね。
また、乳児期の自我の芽生えから、“これがいい”というこだわりが見られる時期ですが、ポジティブなピート見ていると、嫌なことも吹き飛び、一緒に楽しくなってしまうようなお話です。絵本には歌もあるようなので、音楽を流して一緒に歌いながら読むのもおすすめです。
3歳までの子どもたちにこそ、たくさんの絵本を!
乳児期は、吸収する力に優れており、繰り返し行うことで記憶されていきます。何かを学ぶ上で、まさにこの時期が大切になってくると考えています。
英語の絵本選びは、馴染みがないとどれが良いかわからなかったり、発音を気にされて読むことが難しかったりと、懸念されることもありますが、柔軟な感性を育てるには様々な知識をインプットしていくことが、今後の子どもたちの生きる力になっていくでしょう。そして、子どもにって、”絵本をたくさん読んでくれたその時間”が宝物になります。読み方や絵本について悩まれることも多いと思いますが、まずは気にせず、親子の大切なコミュニケーションの時間を楽しんでください。