春らしく暖かくなってきましたね。みなさんは、春といえば、何をイメージされますか?
“桜” ”入学式” ”ひなまつり”など、日本にはたくさんの春の植物や生き物、行事などがあり、それらを思い浮かべる方が多いのではないかと思います。
それでは、海外の春はどうでしょうか?国によって様々な”春”があると思います。
今回は、アメリカで生活していた筆者が感じた春と日本の春についてのお話を交えながら、1歳から3歳までの年齢別に、春に関する英語の絵本をご紹介致します。
1歳向けの春の英語絵本
木々や草原などの自然が冬から春へと変化していく様子をかわいいイラストで描いたお話です。
絵本には、春に関するたくさんの生物が登場し、”Flower” ”egg” ”bee”などの単語に加え、”before” “until “などの前置詞も学ぶことができます。“if you wait “や”before spring comes “などの簡単な英文が繰り返しあるので、自然に頭に入って覚えやすいです。
また、詩のような英語の文章が印象的で、春になるとパッと花が咲いたり、卵から雛がかえったりする様子をまるで読みながら呪文をかけたように華やいでいきます。
季節の移り変わりが待ち遠しくなる絵本です。
日本語訳有『にじのはなをさかせよう』
※現在取り扱いなし
冬の間に球根を植えたり種を撒き、春になると赤・オレンジ・黄色・緑・青・紫の色とりどりの花を咲かせます。
咲く様子はまるで虹のように綺麗で、春を迎える喜びがいきいきとした色使いに表れています。球根や種にそれぞれの花の名前が書いてあり、どんな花が咲いていくのかページをめくるごとにウキウキとした気持ちになります。また、花の育て方や種類・色などについて学ぶこともできます。
1988年に初版されてから、長く愛されているベストセラーです。
身近にあるような親しみがある花が多いので、子どもと本に出てくる花たちを外で見つけてみるのもいいですね。
※日本語訳なし
雨が降り、春の到来を喜ぶ子どもたちの姿からこの絵本は始まります。そして、3人の子どもたちは小鳥のさえずりを聞いたり、庭で様々な種を蒔いたり、新しく生まれた動物の子どもたちと触れ合ったりなどして外での遊びを楽しみます。
日本は、6月頃など梅雨の時期に雨に関する絵本を読む傾向にあるため、”春に雨が降る絵本?“と疑問を持つ方も多いでしょう。
地域にもよりますが、実は海外では春の絵本で雨に関する内容が多くあります。乾燥した冬から一転して春にむけて空気が潤い、雨が降ります。そして季節の事象により芽が膨らみ、動物も人も活発に動き出すことから、雨のお話はまさに春を感じるに相応しい絵本だと思います。
2歳向けの春の英語絵本
※日本語訳なし
もぐらが目を覚まして窓を開けると、外の空気から春の匂いを感じ、冬眠しているくまに春の訪れを伝えに行きます。窓を叩いてみますが、くまは起きず、ドアをノックしたり、鼻をくすぐったりなどあの手この手を使ってくまを起こそうとするお話です。一生懸命なもぐらの様子が可愛らしく、見ていて微笑ましいです。
主語+動詞の形の短い英語がイラストと共にわかりやすく描かれています。また、様々なオノマトペ表現があり、英語で学ぶこともできます。
冬眠とは何なのか、どんな動物がしているのかなどを知るきっかけにもなりそうですね。
※日本語訳なし
ある風の強い春の日、ねずみとママは遊びに出かけました。初めて見るものに興味津々のねずみは、「それはなに?」とママに尋ねていきます。
ちょうちょやかえるなど、春に出会う生物が登場し、オノマトペを英語で知ることができます。
乳児期は、身の回りの物に興味を持ち、何でも「これなあに?」と尋ねる姿が見えるので、そんな子どもたちとねずみの姿に親近感を感じますね。
親子で出かけたくなるような、たくさんの愛に溢れた絵本です。
※日本語訳なし
絵本を読み、その文章通りに手を動かしたり、数をかぞえたりしていくと、魔法の種がページをめくる度に変化していく体験型の絵本です。
どうやって植物は育っていくのか、何が必要なのかを学ぶことができます。また、かたつむりやてんとう虫などが登場し、より春を感じることができるでしょう。
最後はどうなるのかドキドキしながら、芽が出て、種が成長していく過程を見るのも楽しいですね。
英語の文章は短く、簡単になっているので、是非お子さんと一緒にやりとりを楽しみながら読み、種を育ててみてくださいね。
3歳向けの春の英語絵本
日本語訳有 『あ、はるだね』
春になる前の冬の間に、男の子は様々な種をまきます。1週間後、それから1週間後と様子を見に行くたびに男の子と動物たちが芽が出るのを楽しみにしている様子が伝わってきます。
実はこの絵本の中で、”冬”や”春”などの季節を表す言葉が出てきません。地面の”茶色”と”緑”という色の言葉で季節の移り変わりを表しています。
また、繊細な色鉛筆の色使いで空の色、枯れ木などの周りの風景や男の子の着ているもので冬と春の始まりを表しています。静かにじっくりと季節が変わっていく表現力が魅力です。
最後に種たちはどうなったのか、ぜひ子どもと一緒に想像してみてくださいね。
※日本語訳なし
森や牧草地を植物や花から花へと旅する小さなみつばちのお話です。
表紙の花と、はちみつを連想させるくり抜かれた六角形の中にみつばちがいる絵が印象的で、ページをめくる度にみつばちがどこにいるのか探したくなります。その遊び心溢れる巧みな作りと華やかなコラージュが魅力です。また、美しく詩的な文章とリズミカルな韻に、読んでいて楽しくなっていきます。
この絵本を通して、みつばちが花から蜜や花粉を集め、実りが生まれるということを学ぶことができます。その鮮やかに命が吹き込まれる様子は、魔法のようです。
花とみつばちの受粉の関係を知り、生物は共存し合っているという大切なメッセージが伝わってきます。春は生命の誕生が多い季節であり、植物や昆虫に興味を持ち始めた子どもたちにいかがでしょうか。
※日本語訳なし
ある日の春の朝、オスとメスの2羽のコマツグミが、巣を作るのに最適な場所を探索していました。そして良い場所を見つけると、巣を作り、卵を産み、育てます。巣の作り方、卵から雛がかえる様子などが忠実に描かれており、鳥や卵について知るにはぴったりな絵本です。
白黒のイラストが、細い線で繊細に描かれているのが特徴で、卵と空のみにライトブルーの色がつけられ、ハイライトされています。
みなさんは、青い卵を見たことがありますか?
このコマツグミの卵の色合いは、Tiffany&Coのティファニーブルーとして有名です。
また、アメリカでコマツグミは、春を告げる鳥として親しまれており、春に卵を産み育てることから、春に読みたい絵本として選ばれています。
春を探しに行きましょう!
春の絵本を通して知る海外の春はいかがでしたでしょうか?日本とは、いくつかの相違点や共通点がありますよね。
海外の絵本には、春の自然にスポットを当てた絵本が多くあります。そして、ガーデニングについての絵本も豊富であることから、花や食べ物の種を蒔き、1つのアクティビティとして家族で楽しまれている背景が伝わってきます。実際、アメリカは土地が広大で豊かな自然があるため、公園や植物園では多くの人で賑わっています。
また、アメリカでは秋が進級シーズンとなります。
私が保育士をしていた頃は、春は子どもたちの卒園・入園、進級などの新たなスタートを祝う行事とひなまつりや子どもの日などの子どもの健やかな成長を願うという行事で盛りだくさんでした。そのため保育園では、それら行事に関する絵本や食べ物・植物のなどに関する絵本を多く読んだ記憶があります。しかし、春の陽気に心躍らせる様子は、どの国も変わらないようですね。
1歳から3歳までの子どもたちにとって、春は初めての体験やたくさんの発見をする、まさに冒険のような時期だと思います。絵本をきっかけに、それぞれの春を見つけてみてはいかがでしょう。