育児をしている中で、「せっかくご飯を作ったのに子どもが食べてくれない」ことや「子どもの好き嫌いってどうしたらいいの?」と思ったことはありませんか?
そのような悩みには、幼児期から「食育(しょくいく)」を行うことで、食生活の改善が期待できます。
ご家庭でも気軽にできる食育活動として、絵本の読み聞かせがおすすめです。
本記事では、食育について現役の幼稚園教諭が解説しました。
また、1歳児・2歳児・3歳児に応じた食育に関する絵本を、それぞれ3冊ずつご紹介します。
食育に興味のある方は、ぜひ参考にしてくださいね。
こんな方におすすめ!
- 食育のことを詳しく知りたい方
- 食育に関する絵本を探している方
- 子どもの食生活を改善したい方
食育とは正しい食習慣を身につけること
食育とは、食に関する知識をつけることで、健全な食生活を実践する人を育てるための教育活動です。
農林水産省が様々な関係者と密接な連携を行い、政府として食育を推進しています。
食育は、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けられるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるもの。
農林水産省
幼児教育においても、食育が重要視されていて、多種多様な活動が行われています。
理由は、幼児期から食育活動を行うことで、健康面に大きな影響を及ぼし、精神的な成長も期待できるからです。
実際に私立幼稚園の保育の中でも、食育活動を行っています。
野菜が苦手な子どもがいる場合は、野菜に関する絵本を読む活動や、野菜を育てる活動を行います。
活動を終えると、野菜への理解が深まり、苦手な野菜も食べようとする姿が見られました。
食育活動を行うことで、正しい食習慣が身につき、より健やかな成長が期待できます。
政府によって食育活動が推進され、保育園や幼稚園でも、体系的に食育活動を行うようになりました。
保育園を管轄している厚生労働省では、食育に関する5つの目標を掲げています。幼児期における食育の目標は、以下の通りです。
- お腹がすくリズムのもてる子ども
- 食べたいもの、好きなものが増える子ども
- 一緒に食べたい人がいる子ども
- 食事作り、準備に関わる子ども
- 食べ物を話題にする子ども
人格の基盤を形成する大切な幼児期は、食生活の基盤にも影響を及ぼします。
そのため、幼稚園や保育園だけではなく、ご家庭での食育活動も重要です。
特に「一緒に食べたい人」や「食事作り、準備に関わる子ども」などは、ご家庭で意識することによって目標へ近づきます。
一方、幼児期に5つの目標を意識せず、食事への関心が深まらなかった場合、社会問題にもなっている「孤食」に繋がります。
孤食になると、食事マナーが身につかなくなり、栄養が偏ってしまいがちです。
つまり、ご家庭ではしっかりと向き合って食事の時間を大切にすることが、重要だと考えられています。
幼児期から食育活動を行うと、以下の7つメリットが考えられます。
- 心身の健やかな発達を助長する
- 味覚の発達を助長する
- 免疫力が高まる
- 食事のマナーが身につく
- 協調性が身につく
- 好き嫌いの克服ができる
- 食べ物への感謝の心を養う
幼児期から食育を行うことで、健康的な成長が助長されることが最大のメリットです。また、多くの食材を口にして経験を積み、味覚の発達や免疫力の向上に繋がります。
他にも、食事を通して人との交流が深まり、マナーや協調性も身につくことがメリットとして挙げられます。
また、食材に興味を抱くことや命の大切さを知ることで、好き嫌いの克服、感謝の心を養うことも可能です。
子どもの心に働きかける食育活動は、豊かな心を育むことに繋がります。
食育活動に適しているおすすめの絵本9選
ご家庭で行う食育活動は、絵本の読み聞かせがおすすめです。
理由は、食育に関する内容が幅広くて気軽に取り入れられるからです。
ここでは、現役の幼稚園教諭が発達段階に応じた絵本を9冊厳選しました。
1歳児・2歳児・3歳児におすすめの絵本を、それぞれ3冊ずつご紹介します。
1歳児は、言葉遊びやリズム感で楽しめる絵本がおすすめです。1歳児におすすめな絵本を3冊ご紹介します。
食べ物から出る音や食器の音など、擬音で楽しめる絵本です。
シンプルなイラストで、食事の温かみも伝わってきます。
聴覚を刺激して、食に興味を持つきっかけになる素敵な作品です。
食べることの楽しさを追求した名作中の名作です。
カラフルで力強いイラストは、赤ちゃんも惹きつける力を秘めています。
単純なストーリー性とワクワクする仕掛けも魅力的です。
音頭に合わせた、リズム感を楽しめる絵本です。
くだものの中身をダイナミックな仕掛けで、知ることができます。
実際のくだものを一緒に切ることで、理解や関心がより深まります。
2歳児は、問いかけや仕掛けがあって、考えながら楽しめる食育絵本がおすすめです。2歳児におすすめな絵本を3冊ご紹介します。
野菜がどのようになっているのか、シンプルな一問一答で楽しく学べる絵本です。
リアリティーのあるイラストで、野菜への興味を促します。
わかりやすい言葉や、動きのある仕掛けも楽しいポイントです。
身近な食品や食べ物の成り立ちを、わかりやすく教えてくれる絵本です。
かわいらしい動物たちと一緒に考えることで、食への興味がそそられます。
ダイナミックな仕掛けで楽しめることも、魅力の1つです。
食べ物が体の中でどのようになるのか、わかりやすく描かれた絵本です。
自分の体や排便からも、食育に繋げることができます。
食材や食品の役割も教えてくれるため、食材への知識も深まりますよ。
3歳児は、ストーリ―性のある食育絵本がおすすめです。3歳児におすすめな絵本を3冊ご紹介します。
登場人物が面白い、シリーズ作品の食育絵本です。
頑固なもったいないばあさんが、食べ物の大切さを教えてくれます。
栄養や食材の役割を、簡単な言葉で表現している点も魅力の1つです。
一頭の牛と少女を題材とした、感動的な食育絵本です。
食育センターで、牛が出荷されるまでのストーリーを描いています。
いただきますの本質を捉え、食への感謝が深まる1冊です。
料理の導入として活用できる絵本です。
リアリティーのある料理過程で、食欲も刺激します。
作る手順を追っていく仕掛けもあり、繰り返し楽しめることも魅力的です。
絵本を活用して正しい食習慣を身につけよう
本記事では、幼児期における食育について解説しました。
食育とは、食に関する知識をつけることで、健全な食生活を実践する人を育てるための教育活動です。
幼児期に食育活動を行うことで、7つの効果やメリットが期待できます。
- 心身の健やかな発達を助長する
- 味覚の発達を助長する
- 免疫力が高まる
- 食事のマナーが身につく
- 協調性が身につく
- 好き嫌いの克服ができる
- 食べ物への感謝の心を養う
また、ご家庭で気軽に取り入れられる食育活動は、絵本の読み聞かせがおすすめです。
現役の幼稚園教諭が選んだ、年齢別におすすめする絵本は以下の通りです。
年齢・絵本を選ぶ基準 | 絵本の題名 |
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1歳児・感覚で楽しめる絵本 | おいしい おと はらぺこあおむし くだもの音頭 |
2歳児・考えながら楽しむ絵本 | いろんなおやさいどこになる? たべものなにからできている? そのときうんちはどこにいる? |
3歳児・ストーリーが面白い絵本 | もったいないばあさんのいただきます いのちをいただく フライパン |
正しい食生活を身につけるために、食育活動の一環として絵本を取り入れてみてくださいね。