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【2023年保存版】2歳向けのロングセラー絵本10選 発達段階でみるおすすめとは?

2歳におすすめのロングセラー絵本を幼児教育講師が解説

2歳になると赤ちゃん期と比べて、身の回りに関心を持ったり、2語文で話せたりという成長がみられ、簡単なストーリーの絵本を楽しむことができるようになります。

そこで、「どんな絵本を読んであげようかしら?」「プレゼントする絵本は何がいいかしら?」と考える機会も増えるかもしれませんね。

そう考えた時まず思い浮かぶのは、ロングセラーの絵本ではないでしょうか?

世代を超えて読み継がれるロングセラー絵本は、時代に関わらずお子さんの心をひきつける普遍的なテーマ、選び抜かれた言葉、心に残る温かい絵で構成されています。

今回は、そのような素晴らしいロングセラー絵本の中から、2歳のお子さんにぴったりのものを、おすすめポイントとともに紹介します。

2歳児の発達の特徴

  • 2語文での会話が増える
  • 自発性や自己主張がでてくる
  • 身の回りの人や物に少しずつ関心を持つようになる
  • 大人の真似をしたり、見立て遊びをしたりし始める
  • イメージする力がついてくる
  • 簡単なストーリーを理解できる

2歳児は言葉が出始める頃です。この時期には、リズム良く繰り返す言葉が出てくる絵本を読んであげましょう。スムーズに発話を引き出してあげられます。

また、簡単なストーリーをイメージし、理解する力もついてくるので、身の回りのことをテーマにした絵本を親子で楽しみましょう。

2歳児におすすめのロングセラー絵本

ロングセラーのベッドタイムストーリー『おやすみなさいおつきさま』

幼児教育講師がおすすめする2歳向けロングセラー絵本『おやすみなさいおつきさま』
『おやすみなさいおつきさま』
  • マーガレット・ワイズ・ブラウン/作
  • クレメント・ハード/絵
  • せた ていじ/訳
  • 発行:評論社(1979年)

内容

こうさぎが、お部屋の中のもの一つ一つに「おやすみなさい」と声をかけて、ベッドに入って眠るまでが描かれています。お部屋の明かりもページごとに、だんだん暗くなっていきます。

おすすめポイント

アメリカでは1,000万部を超えるロングセラーで、ベッドタイムストーリーとして人気です。こうさぎと一緒に、ゆったりとした気持ちで眠りにつける絵本です。

お子さんはこうさぎに自分を重ねて、自分の愛着のあるものに「おやすみなさい」と声をかけるようになるかもしれませんね。このように絵本の中の主人公に寄り添い、自分を投影し、次第に相手の気持ちを汲み取るということができるようになっていきます。

また、眠れないときは、絵本の中の一つ一つのものをよく観察してみるのもいいですよ。楽しい発見ができると思います。

イメージする力や優しい気持ちを育める絵本『ぞうくんのさんぽ』

幼児教育講師がおすすめする2歳向けロングセラー絵本『ぞうくんのさんぽ』
『ぞうくんのさんぽ』
  • なかのひろたか/著・文 | イラスト
  • なかのまさたか/著・文
  • 発行:福音館書店(1977年)

内容

散歩に出かけたぞうくん。 途中で会った動物をお散歩に誘います。

「せなかにのせてくれるならいってもいいよ」「いいともいいとも」と繰り返しの言葉でお話は進みます。

そして出会った動物をつぎつぎと背中に乗せてあげます。

でもどんどん高く重くなって、最後は・・・

おすすめポイント

お子さんは、つぎつぎと動物たちがぞうくんの背中に乗るのを見て心配になります。

でも最後には重さに耐えきれず、みんな池に落っこちてしまいます。そのシーンを見てお子さんは大笑いをして、ちょっとほっとします。想像力や、相手の気持によりそう思いやりが生まれているのですね

やさしい気持ちを育んでくれる絵本です。

色彩感覚・感受性を刺激する絵本『あおくんときいろちゃん』

幼児教育講師がおすすめする2歳向けロングセラー絵本『あおくんときいろちゃん』
『あおくんときいろちゃん』
  • レオ・レオー二/作
  • 藤田 圭雄/訳
  • 発行:至光社(1967年)

内容

青のまると黄色のまるが擬人化されてお話が進みます。

あおくんときいろちゃんは顔も体もありません。でもページのなかで動き回り、喜んだり、寂しかったり、とまどったりといった感情がいきいきと伝わってくるのです。そして、色が重なると・・・

おすすめポイント

様々な芸術活動を長く行っていたレオ・レオー二氏の絵本です。

少ない色と形で表現されているのに、お話の世界にぐいぐい引き込まれます。お子さんもあおくんときいろちゃんが自由に動き回る様子を目で追いながら、想像力を大きく膨らませることができますお子さんの色彩感覚やイメージ力を伸ばすのにもうってつけの絵本です。

色が重なる最後の場面は、どうとらえるでしょうか?

お子さんだけではなく、大人にもハッとした気づきを与えてくれます。

発話や見立て遊び促す絵本『おおきなかぶ』

幼児教育講師がおすすめする2歳向けロングセラー絵本『おおきなかぶ』
『おおきなかぶ』
  • ロシア民話
  • A・トルストイ/再話
  • 内田 莉莎子/訳
  • 佐藤 忠良/画
  • 発行:福音館書店(1966年)

内容

大きなかぶをひき抜こうとしたおじいさん。ところがなかなか抜けません。そこでおばあさんを呼び、孫娘を呼び、犬を呼び・・・と、次々と助っ人が登場します。

幼稚園の劇で人気の絵本です。

おすすめポイント

次々と現れる助っ人たちに、お子さんはワクワクして絵本に引き込まれていきます。それでもなかなか抜けないので、自分もついつい力が入って「うんとこしょ、どっこいしょ」。

お子さんはかぶの大きさや、重さをイメージしたり、登場人物を応援したりと絵本の世界に入りこんで想像力を膨らませることができます。いっしょに大きなかぶを引き抜く真似をして遊びましょう。

発話や見立て遊びを促す絵本『くだもの』

幼児教育講師がおすすめする2歳向けロングセラー絵本『くだもの』
『くだもの』
  • 平山 和子/作
  • 発行:福音館書店(1981年)

内容

写真のようなみずみずしい果物の絵が描かれています。

まるごとの果物の絵の次には、「さあ、どうぞ」と食べられるように切ったり、お皿に盛ったりして差し出される果物の絵。思わず手をのばしたくなります。

おすすめポイント

「さあ、どうぞ」「ありがとう」「いただきます」「おいしい!」「甘い!」などと絵を見ながら言葉のやり取りをしましょう。2歳頃には、このようなごっこ遊びができるようになってきます

またいろいろな果物の絵を見たら、ぜひ本物を手に取って、香りや手触りなども楽しんでください。実物で経験した後、また絵本を見ると、お子さんのイメージする力をさらに豊かにすることができます。

気持ちの表し方を学べる絵本『ノンタン ぶらんこのせて』

『ノンタンぶらんこのせて』
  • キヨノ サチコ/作・絵
  • 発行:偕成社(1976年)

内容

大人気シリーズ「ノンタン」の一作目です。

ぶらんこが大好きなノンタン。お友達に「かわって」と言われてもなかなか交代することができません。

おすすめポイント

お子さんは2歳になって少しずつ、周りの人と関われるようになってきます。でもまだ自分の気持ちをどう表現したらいいのか、相手の気持ちをどうくみ取ったらいいのか、どう関わればいいのかわからず戸惑うのです。

そんな時、この「ノンタン」シリーズはうってつけです。

日常によくある出来事がわかりやすく描かれていますので、絵本を何度も読むうちに、気持ちの表し方や、どのように行動すればいいのかがわかってきます。イヤイヤ期にも役立ちますよ。

言葉や日常生活を学べる絵本『どうすればいいのかな?』

『どうすればいいのかな?』
  • 渡辺 茂男/文
  • 大友 康夫/絵
  • 発行:福音館書店(1977年)

内容

こぐまが、お着替えする様子を描いています。でも、何か変です。シャツをはいたり、パンツをきたり。

最後にやっと、こぐまは正しくお着替えして、お出かけすることができます。

おすすめポイント

「きる」「はく」「かぶる」など、動詞の使い分けを自然に覚えられます。言葉を覚え始める2歳児にぴったりのお話です。

お子さんは、最初はきょとんとしているかもしれません。でも何度も読むうちに、こぐまがまちがえるのが楽しくて「ちがう!ちがう!」と教えてくれるようになりますよ。

知的好奇心を引き出せる絵本『たまごのあかちゃん』

『たまごのあかちゃん』
  • かんざわ としこ
  • やぎゅう げんいちろう/絵
  • せた ていじ/訳
  • 発行:福音館書店(1993年)

内容

「たまごのなかでかくれんぼしているあかちゃんはだあれ?

いろいろな大きさのたまごから、次々と赤ちゃんがでてきます。

ページをめくるたびに、たまごのなかにいた赤ちゃんが生まれてくる様子が、かくれんぼの答え合わせをするように楽しめる絵本です。

おすすめポイント

・おすすめポイント

お子さんは、次はどんな赤ちゃんがでてくるのだろうと、ワクワクして見てくれます。

赤ちゃんが出てくるとき「よちよち」「にょろにょろ」などのオノマトペで、出てくる様子が表現されていて、擬態語の語感も学べます。

また、たまごから生まれてくる動物に興味がでてきたら、動物図鑑も見てみましょう。さらに好奇心が刺激されます。

自発性を引き出せる絵本『しろくまちゃんのほっとけーき』

幼児教育講師がおすすめする2歳向けロングセラー絵本『しろくまちゃんのほっとけーき』
『しろくまちゃんのほっとけーき』
  • わかやまけん、もりひさし、わだよしお/作
  • 発行:こぐま社(1972年)

内容

「こぐまちゃん絵本シリーズ」の1冊です。

しろくまちゃんがおかあさんといっしょにホットケーキ作りをします。ホットケーキを作る手順がしっかり描かれています。最後はおとなりのこぐまちゃんを呼んで、なかよく食べます。

おすすめポイント

「ぽたぁん どろどろぴちぴち ぷつぷつ」とホットケーキが焼けていく様子がオノマトペで細かく表現されていて、お子さんたちは絵本にくぎづけ。ホットケーキの匂いが漂ってきそうで、いますぐホットケーキを作って食べたくなります。

さらにこぐまちゃんと食べた後は、お片付け。

日常生活の一コマが描かれており、しろくまちゃんと同じように、お料理やお手伝いをしてみたいという気持ちが芽生えてくるでしょう。

感受性を刺激して多様な感情を引き出す絵本『ねないこだれだ』

幼児教育講師がおすすめする2歳向けロングセラー絵本『ねないこだれだ』
『ねないこだれだ』
  • せなけいこ/作・絵
  • 発行:福音館書店(1969年)

内容

「こんなじかんにおきているのはだれだ?」

おばけがでてくる、ユーモラスだけれど少しこわいお話です。

絵は貼り絵で表現されており、温かみのある独特の雰囲気を醸し出しています。

おすすめポイント

2歳になると少しずつ自我も芽生え、いろいろな感情を経験します。楽しい、嬉しい気持ちばかりではなく、悲しいとか怖いという気持ちも、ちょっとずつ理解できるようになっていきます。いろいろな感情を絵本の中で経験することで感受性豊かに成長できます。

このお話はちょっと怖いのですが、お子さんはなぜか気になって、何度も読みたくなってしまう絵本なのです。

絵本は一生の宝物!

2歳になると、イメージする力や理解力がどんどん育ってくるので、楽しめる絵本がぐんと増えます。

そして、お気に入りの絵本の記憶はずっと長く残ります。繰り返し読んだあの言葉。心が温かくなったあの絵。面白くて大笑いしたこと。よかったぁとほっとした気持ちになったこと。そしてパパやママと一緒に過ごした時間。そうした記憶の数々が一体となって、お子さんの心を動かし、一生の宝物になるのです。

ぜひ、たくさんのロングセラー絵本を読む幸せな時間を、親子で共有してください。