乳幼児期の子育てにおける、大きな関門とも言えるトイレトレーニング。
なかなか上手く進まない、どうしたらいいか分からない、と悩まれるママ・パパも多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、トイトレの進め方について分かりやすく解説したいと思います。是非参考にして頂けますと幸いです。
トイレトレーニングとは
一昔前までは「オムツ外し」と言われていましたが、最近では「オムツ外れ」と表現されるようになってきました。
「オムツ外し」と言うと、大人が積極的に介入し、トイレで排泄ができるよう指導していく、という考え方です。
一方、「オムツ外れ」というのは、オムツは自然と外れるものである、という考え方です。トイレで排泄ができるためには、身体面・言語面等で様々な発達が必要です。それらの発達が、必要な段階に到達した際に、オムツは自然と外れるものである、という考え方が現在では主流です。
トイトレはいつから始める?始め時のサイン
一般的には、2・3歳頃から始めることが多いかと思いますが、乳幼児期の発達は非常に個人差が大きいです。子どもたち1人ひとりに、その子なりの発達のペースがあるので、年齢に捉われず、以下のように、子どもの発達がトイトレに十分な段階に到達していることが大切です。
トイレに行く際には、ズボンの着脱をする必要がありますよね。これが自分でできないと、毎回大人の付き添いが必要になってしまうので、自分でズボンを着脱できるようになっていることが望ましいです。
排尿間隔が短いと、頻繁にトイレに行く必要があります。遊んでいる最中でもすぐにトイレに行かなければならないと、集中して遊び込むことが難しくなってしまいます。
乳幼児期には、様々なことに興味関心を持ち、主体的に挑戦したり、遊び込んだりすることで、非認知能力を始めとした、様々な力が育っていきます。トイトレも大切ですが、乳幼児期の子どもにとっては、遊ぶことが学ぶことです。
重要な学びの機会を邪魔してしまわないよう、最低でも1時間半は膀胱に尿を溜められる状態になっていることが望ましいです。
オムツを交換した時間を把握しておきます。そして、そのオムツが濡れる(子どもが排尿する)までの時間を確認します。オムツ交換後から、最初に排尿があるまでにかかった時間が、おおよその排尿間隔といえます。
私たち大人は、自分で尿意に気が付くことができるため、適度なタイミングでトイレに行くことができますよね。これは、膀胱付近の筋肉から大脳へと信号を伝えることができるためです。
ですが、オムツで排泄をしている段階の子どもは、この発達がまだ未熟なため、無自覚のうちに排尿しています。
ですから、オムツを確認する際に、子どもが排尿していた場合には、「おしっこでたね」と声を掛けましょう。これを繰り返すことで、子どもは徐々に「さっきの感覚がおしっこしたいってことなんだ」と、自分の尿意を自覚できるようになっていきます。
子どもが自分で尿意に気付くことができても、それを大人に伝えることができないと、トイレに行けませんよね。「おしっこ」という言葉を理解し、発語できることが望ましいです。
「おしっこでたね」「おしっこが出そうな時は教えてね」といった大人の日々の声掛けや、トイレ・排泄が題材となっている絵本を活用する等して、親しみを持てるよう促してあげたいですね。
上記の4つができても、便座に座っていることができないと、トイレでの排泄は難しいです。
椅子に座った状態で、テーブルの上で好きな絵本や遊びを5分以上続けることができる状態にあることが望ましいです。
トイトレの進め方5つのステップ
① オムツ替えをするタイミングで、排尿していない場合には、トイレに座るよう促してみる
オムツ替えをしようと思ったタイミングで、「あれ、おしっこが出てない」という時があればチャンスです。「トイレに座ってみる?」と誘ってみましょう。
子どもが嫌がる場合には無理に行く必要はありませんが、実際に排尿しなくても、ちょっと便座の上に座れただけでも十分です。
便座に座ろうと挑戦した、その意欲を認め、褒めてあげてください。
② 「トイレで排尿できた」という経験を積み重ねていく
オムツ替えをしようとしたタイミングで排尿していない時には、トイレに行き便座に座る。この流れが習慣になってくると、徐々に便座に座っていられる時間も長くなってくると思います。
そうしてある時、便座に座っているタイミングでおしっこが出た!という瞬間が訪れるのを待ちましょう。偶然でも何でもよいです。トイレで排尿できた!という経験を少しずつ積み重ねていきましょう。
その際には、「トイレでおしっこできたね。かっこいいね。」と、一緒に喜び、子どもの自信に繋がるように、そして「次も頑張ってみようかな」と思えるように、支えてあげましょう。
③ 「偶然」ではなく、主体的にできるように
トイレに行くタイミングを、大人主導から子ども主導へと、徐々に切り替えていきましょう。
②では、オムツに排尿していない時にトイレに誘う、という大人主導のタイミングでしたが、子どもが自ら「トイレに行きたい」と思ったタイミングで行くことができるよう、促していきたいです。
「おしっこが出そうな時は、“おしっこ”って教えてね。」と日々、繰り返し伝えていきましょう。子どもが伝えることができた時には、是非褒めてあげてください。
たとえその時点で、既に排尿がなされていたとしても、伝えることができたという事実と、その頑張りを認め、褒めてあげましょう。
④ パンツデビュー
自分で尿意に気付くことができ、その際には「おしっこ」と大人に伝え、自らトイレに行くことができるようになってきたら、オムツの代わりに、パンツの着用に挑戦してみましょう。
いきなり1日中ずっとパンツで過ごすのは不安、という場合は、部分的に始めても大丈夫です。
日中、子どもがパンツを履きたいと言った時にはパンツを着用し、睡眠時はオムツにする等、子どもの気持ちやペースに合わせて、柔軟に対応してあげてください。焦らずゆっくり、徐々にパンツで過ごせる時間を増やしていきましょう。
子どもと一緒に買い物に行き、子どもが気に入ったパンツを買ってあげると、より意欲的に取り組むことができるかもしれません。
⑤ トイトレ完了
尿意を感じた際には自ら進んでトイレに行くことができ、1日中パンツで問題なく過ごすことができるようになれば、トイトレ完了です。
時折、おもらしをしてしまうこともあると思いますが、その際には、子ども自身、とても不安を感じていることが多いです。
ですから是非、子どもが安心できるよう、励ましてあげてください。
大人が忙しいタイミングとおもらしが重なってしまうと、つい余裕がない態度をとってしまうこともあるかもしれませんが、「大丈夫だよ。お父さんやお母さんだって、子どもの時にはおもらしをしたこともあるし。心配しなくていいんだよ。」と、穏やかに伝えてあげることができると、素敵ですね。
焦らず、子どもの気持ちに寄り添って
子どもの発達は1人ひとりバラバラです。その子なりのペースがあるので、他の子と比べて焦る必要はありません。
順調に進んでいたと思ったら、ある時ふと立ち止まることもあるでしょう。そんな時には是非「大丈夫だよ。お父さんお母さんはいつでもあなたの味方だから、安心してね。」とあたたかく励ましてあげてください。
皆様のトイトレライフがハッピーでありますように、願っております。