寒い冬から暖かい春が来るという喜びと共に、日本では様々なイベントがありますね。海外での春の大きなイベントといえば、やはりイースターです!
少しずつ日本でも知られてきているものの、イースターをテーマにした絵本はまだ少ないので、小さなお子さんに合う絵本を見つけることが難しいですよね。
今回は、アメリカで実際に子どもたちとエッグハント(ゲーム)などをして遊んだ筆者が、イースターをテーマにした絵本を厳選しました。
小さなお子さんにも楽しめて、イースターの雰囲気を感じたり、様子を知ることができる英語の絵本を、1歳から3歳までを年齢別にご紹介します。
イースター(復活祭)について
イエス・キリストが十字架に架けられ、3日後に死から復活した喜びをお祝いするお祭りです。毎年日付は変わりますが、3月または4月に行われます。
イースターという名前は、春の女神「Eoster」(エオストレ)にちなんで名付けられたといわれています。また、春の女神は太陽と共に現れるため、太陽が昇る東を「East」と呼ぶようになったとも言われています。
イースターこのようにキリスト教のイベントですが、キリスト教徒ではない人にとっても春の訪れを喜ぶお祝いの日として親しまれています。
アメリカでは、子どもたちがたまごをデコレーションして飾ったり、エッグハントというゲームをしたりしていました。
遊び方は、事前に親がたくさんのたまごとお菓子を用意し、卵型のカプセルの中にお菓子やお金などを入れて、庭に隠します。それを子どもたちが探し、いくつ見つけることができたか競い合います。
また、小さなお子さんにはお菓子をプレゼントしたり、家族で食事をしたりして過ごす様子がありました。
生命のはじまりや復活の象徴であり、雛が殻を割って生まれてくる様子が、キリストの復活を連想させるためといわれています。
豊穣や繁栄の象徴であり、うさぎが多産であることから理由とされています。イースターエッグをバスケットに入れて運んでくるといわれています。
聖書で言及されている白いユリは、純粋・再生・新しい始まり・希望などを象徴しており、それは聖母マリアをイメージされた花とも言われています。
※諸説あります。(出典: Wikipedia)
「イースター」をテーマにした英語絵本を年齢別におすすめ
- My First Easter
- by Tomie de Paola
※日本語訳なし
絵本作家のトミー・デ・パオラは、民謡や童話など幅広く描き、多くの名作を生み出しました。その中の1つであるこの絵本は、題名の通り、初めてイースターを迎える子どもたちにぴったりな絵本です。
簡単な英語や温かみのあるイラストで、イースターの花やエッグハントをする様子などを紹介しています。イースターに関することが、小さなお子さんにもわかりやすいようシンプルに描かれており、何歳でも手に取りやすい内容になっています。
「どれがいいかわからない!」と迷っている方で、おすすめです。
- Eggs Are Everywhere
- by Hans Wilhelm
※日本語訳なし
この絵本は、たくさんのしかけ絵本とは一味違い、まさに子どもと一緒にエッグハントを楽しむことができます。
ページごとに可愛らしいタッチのうさぎやにわとりなどが登場し、その近くに小さなたまごがあります。歯車を回して、好きなたまごを選ぶことができます。そのたまごと同じものが、絵の中の2箇所のめくるところに隠されているので、どちらに入っているか予想して当てます。めくって答え合わせをするのが、ゲーム感覚で楽しいです。
また、選ぶたまごによって、隠されている場所が変わるしくみなので、読む度に”どっちだ?”とワクワクしますね。文章も、簡単な英語の繰り返しでおすすめです。
- The Great Easter Race!
- by Craig Manning
- Illustrated by Ernie Kwiat
※日本語訳なし
お馴染みのセサミストリートのキャラクターたちと動物たちが公園に集まり、誰が一番速くゴールにたどり着けるか競争するお話です。デコレーションされたたまごやお菓子などイースターにまつわるものがたくさん出てくるので、賑やかな雰囲気に、読みながらイースターのお祝いをしているような気分になります。ページごとにサプライズが待っており、うさぎの動きにも注目です。
この絵本は、実際にアメリカで2歳児の子どもに何度も”読んで”と何度もお願いされました。文章も割と多いのですが、飽きることなく最後まで楽しんでいたので、セサミストリートなどのキャラクターに馴染みがある方にもおすすめです。
- We’re Going on an Egg Hunt
- by Martha Mumford
- Illustrated by Laura Hughes
※日本語訳なし
4匹のうさぎたちがイースターエッグをを探しに出かけます。その途中に、子羊や蜂など様々な生き物に遭遇し、うさぎたちと一緒に冒険に出かけているような気分になります。また、絵本の中にはしかけがあり、めくってイースターエッグを探すことができます。ひとつずつ数えながら、最後はいくつあったか、お子さんと共感し合うのも楽しいですね。
お話が『We’re going on a bear hunt』という、イギリスやアメリカで有名な絵本のオマージュのような印象があり、比較して読んでみるのも面白いと思います。また、この作品は『We’re going on a Lion hunt』という歌のリズムに基づいているそうです。実際に曲を聴いてからこの絵本を読むと、より作品の世界に浸り、リズミカルに読むことができると思います。
- God Gave Us Easter
- by Lisa Tawn Bergre
- Illustrated by Laura J. Bryant
※日本語訳なし
こぐまがイースターについて様々な疑問をなげかけ、パパぐまがわかりやすいように周りの事象に例えながら答えていくという、親子の会話でお話が進んでいきます。パパぐまが穏やかに優しく語りかけているのが印象的で、そのやりとりに、読んでいて心があたたかくなります。
また、イースターとは何なのかを子どもに説明しようとすると、文化がわからずどう伝えていいかわからなかったり、難しい言葉になったりしますよね。この絵本では、なぜキリスト教圏の国の人々がイースターを大切にしているのかがシンプルに描かれています。「イースターバニーはサンタのようにプレゼントを運んでくれる」というような表現などに、思わず大人も感嘆してしまいます。ぜひ、子どもと一緒に読んで欲しい絵本です。
- The Golden Egg Book
- by Margaret Wise Brown
- Illustrated by Leonard Weisgard
※日本語訳あり『きんのたまごのほん』
イースターの絵本といえば、この絵本!というほど長年愛されてきた名作です。
いつも独りぼっちだったうさぎが、ある日たまごを見つけるところから始まります。”たまごの中身はなんだろう?”と想像したり触れたりするうさぎの様子がとにかく愛らしく描かれています。そして、たまごからかえったアヒルと出会って友達になり、ひとりぼっちではなくなるという心温まるお話です。
表紙の鮮やかな卵は美しく、中のページをめくると、卵型の背景の中にキャラクターがおり、まるでたまごの中にいるようで、可愛らしいです。
また、この絵本は『Goodnight moon』でお馴染みのマーガレット・ワイズ・ブラウンの作品なので、ファンの方はぜひ手にとってみてください。
ハッピーイースター!
イースターの歴史や知識を子どもに伝えるのは難しいかと思いますが、クリスマスのサンタと同じように、イースターバニーが幸せを運んでくると思うと、何だかウキウキしませんか?
絵本を読んで、オリジナルのイースターエッグを作ったり、エッグハントなどのゲームをしたり、家族で楽しむことができるきっかけになれば幸いです。そんな思い出が、子どもたちにとっての”イースター”となっていくでしょう。